「怖い」の正体は、相手を怖がらせるのではという加害性への恐怖だという考察。
10年ぶりに好きだった人へ連絡したい。しかし、怖いと踏み止まってしまうのは、決してあなたが未練がましいからではなく、あなたが優しいからです。
つまり、今のあなたが当時よりも相手の立場を思いやれるようになり、自分の行動が相手に負の影響を与える可能性を、敏感に察知しているということです。
あなたが怖いと感じる原因は何ですか?
私は10年どころか15年前に好きだった人に連絡しようと思い立ちましたが、やはり怖くて連絡するまでに1年も悩みました。
その怖いという気持ちの正体は、連絡すること自体が怖いのではなく、「加害性への恐怖」が原因でした。
今日は、私が感じた「加害性への恐怖」を念頭に置きつつ、10年ぶりの一歩を踏み出すべきか、そのメリットとリスクを整理していきます。
10年前の好きだった人へ、10年ぶりに連絡するメリットとデメリット
連絡することで得られるメリット
● 「未完の課題」の完了
ずっと心のどこかに引っかかっていた、「もしあの時、連絡したら…」という思考のループを止めることができます。
結果がどうあれ、現実を知ることで、未完の物語に終止符を打つことができます。
● 自己理解の深化
相手の反応を通じて、自分が10年でどう変わったか、今の自分が何を求めているのかという自己心理を再確認できます。
● 新しい関係の可能性
お互いが成熟した今だからこそ築ける、当時とは違う新しい関係が始まるかもしれません。
連絡することのデメリット(リスク)
● 自尊心の低下
無視されたり冷たい反応をされた場合、「やっぱり送らなければよかった」という後悔や、自己否定感に襲われるリスクがあります。
● 「加害者意識」の増幅
相手にすでにパートナーや家庭があった場合、波風を立ててしまったと感じ、自分を責めてしまう可能性があります。
● 思い出の書き換え
美しくパッケージされていた10年前の思い出が、生々しい現実(相手の変貌や拒絶)によって上書きされ、心の拠り所を失う可能性があります。
10年ぶりに連絡すべきか迷った時の判断基準は「決着」か「救済」か
連絡したいと思うのは、結局のところ「自分のため」なのだと思います。
しかし、その中身がどちらに近いかによって、連絡するべきかどうかが決まります。
自分のためが「決着」を意味する場合は、連絡してもいい
10年間、あなたの心に引っかかっていた重荷を下ろし、「自分の人生の1ページを完結させたい」という気持ちが強いなら、連絡するべきです。
判断のサイン:
「今の相手の平穏を邪魔したことを謝りつつ、自分の区切りにできる」という覚悟がある。
自分のためが「救済」を意味する場合は、今は止めるべき
もし連絡することで、「当時のように受け入れてほしい」という相手からの反応で自分を救おうとする気持ちが強いのなら、今連絡するのは危険です。
判断のサイン:
相手が期待通りの反応をくれなかったとき、自分を「拒絶された被害者」だと感じる。
【体験談】15年ぶりの連絡で私が「加害性への恐怖」を克服した方法
冒頭で述べた通り、私にとって15年ぶりの連絡を踏みとどまらせていた恐怖の正体は、加害性への恐怖だ。
つまり、連絡したことで相手を怖がらせるのではないか、既婚者だったら波風を立てることにならないか、という恐怖だ。
私は加害者にはなりたくなかったのだ。
それでも連絡しようと思ったのは、先に紹介したような「自分のため」が、救済ではなく決着を意味することに気がついたからだ。
私も相手も38歳だった。相手が既婚者の可能性は極めて高い。万が一奥さんが見ても、旧友からの連絡と思われるようなメッセージを構成した。
「加害性」を最小限にする送り方を研究したのだ。
もし「自分のために決着をつけたい」のであれば、以下のような配慮を盛り込むことで、加害性の恐怖を和らげることができるはずだ。
- 短文に留める
- 10年分の想いをぶつけず、ふと思い出した程度の温度感にする
- 相手に「対応しなければならない」という義務感を与えない
- 幸せを願っていますスタンスで、現在の相手の領域を侵さない姿勢を見せる
そして、私が構成したメッセージはこちらだ。
「同窓会ではあまり話せなかったことを思い出して、連絡しました。環境も随分変わっていると思いますが、最近はどうしていますか?よかったら教えてくれると嬉しいです」
結局、キャリアメールに送信した渾身のメッセージだったが、宛先不明のエラーで届かなかった。
今までの緊張は何だったのかと思うようなあっけない結末ではあるが、この瞬間に過去の自責の念からやっと解放された。
自分で過去の未完了の物語に決着をつけることができ、私はとても晴れ晴れとした気持ちだ。
まとめ:10年ぶりの連絡へ!「重くない」メッセージの送り方
今、あなたの心の中にある気持ちは、どちらに近いでしょうか?
「結果はどうあれ、この悩みを終わらせたい(決着)」
「あわよくば、また好意的に受け入れてもらいたい(救済)」
もし前者の気持ちであれば、文章を工夫することで、あなたの誠実さを保ったまま連絡することは可能です。
コツは、「返信が来ないこと」を標準設定にし、自分の気持ちを宇宙に放流するくらいのスタンスでいることです。
もし後者の気持ちなら、もう少し自分自身を癒やす時間が必要かもしれません。
自分の気持ちが「決着」なのか「救済」なのか分からなくなってしまったら。あなたの独りよがりな接触を避けるために。
恋愛のプロによる専門的な知恵を借りて、10年の歳月が生んだあなたの「加害性のリスク」を、精査してもらいませんか?
加害性を最小限に抑えようとするあなたのその優しさがあれば、きっとあなたの言葉は、相手にとっても温かい過去からの風になるはずです。
